CCS(二酸化炭素の回収・貯留)
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素の回収・貯留)は、二酸化炭素(CO2)を回収して地下に圧入し長期間保存する技術で、温室効果ガスの実質排出量削減への貢献が期待されています。
JAPEXは、石油・天然ガス開発生産(E&P)で培った技術や知見を活用し、CCS技術の早期実用化と商業化を目指しています。
CCSとは
CCSは、工場や発電所などで発生するCO2を大気に排出する前に回収して地中に圧入し、長期間とどまらせる技術です。
実用化には、CO2の圧入に適した地層の調査や、圧入するための坑井、そして長期かつ安定的に貯留するための技術や知見の確立が必要です。
CCSが求められる背景
世界的な地球温暖化への対応として、温室効果ガス(CO2)削減への取り組みが求められています。特に日本においては、以下の2つのCO2削減目標の達成に向けた動きが急速に進んでいます。
パリ協定
- 2015年11月にCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で採択された、2020年以降の国際的な気候変動に対する枠組み
- 日本は2016年4月に署名し、温室効果ガスの排出量を対2013年度比で2030年までに26%、2050年までに80%削減する目標を設定
2050ゼロエミッション
- 2020年10月に日本政府(菅義偉首相)が、「温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする」方針を発表
- この方針を受け、官民によるカーボンニュートラル実現を目指す動きがさらに活発化
CCS実用化を目指す取り組み
カーボンニュートラル実現に向け期待される方法のなかで、CCSは実用性が高く確実で安全な技術と考えられています。
日本においてCCSは、2000年代からエネルギー基本計画などで将来の課題の一つとして検討されています。2010年代以降には、政府のCCS実証プロジェクトなどへ具体化し、実用化に向けた検証や技術開発などが進められています。
JCCSによる苫小牧大規模CO2圧入実証試験
政府の実証プロジェクトとして実施中の、北海道苫小牧沖海底下へのCO2大規模圧入の実証試験です。当社をはじめ民間各社が出資したプロジェクト会社である日本CCS調査株式会社(JCCS)が政府から受託し実施しています。
- 2012~2015年度:準備期間
- 実証試験に必要な設備の設計・建設
- CO2圧入と観測に必要な坑井の掘削
- 周辺環境モニタリング設備の設置
- 海洋汚染防止法に基づいた海水・海洋生物などの事前調査
- 2016年4月~2019年11月:CO2圧入
- 2019年11月22日に、目標量である累計30万トンのCO2圧入を完了
- 2016年4月~:モニタリング実施中
苫小牧大規模CO2圧入実証試験 地上設備
(写真提供:日本CCS調査株式会社)
JAPEXは、JCCSの筆頭株主として、政府の実証試験に参加しています。また、JAPEXとして、地下構造の把握や岩石物性の推定、圧入井の掘削、生産・流体移動シミュレーションや地震探査などによる地下モニタリングなど、当社が石油・天然ガスE&Pで培った技術や知見を提供しました。
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