CCUS(二酸化炭素の回収・有効活用・貯留)
CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage:二酸化炭素の回収・有効活用・貯留)は、発電所や工場などで発生した二酸化炭素(CO2)が大気に放出される前に有効活用したうえで地下に貯留する技術です。石油・天然ガス資源の確保と、CO2排出量の実質的な削減を両立できる技術として、国内外で検討が進められています。
JAPEXは、国内の貴重な石油・天然ガス資産の有効活用と、2020年秋に日本政府が掲げた「2050ゼロエミッション」方針への貢献を視野に、これまでの実証試験や調査などを踏まえたCCUSの実用化・商業化を目指しています。
CCUSで実現できること
CCUSは、CCSのようにCO2を地下に圧入し貯留するだけではなく、CO2自体を有効活用したうえで地下に貯留する技術です。
CCUSでは、以下の2つを同時に実現できるとされています。そのため、2050年のCO2ネットゼロへ達成の過程で大きな役割が果たせる技術として、早期の実用化、商業化が期待されています。
- 石油・天然ガス生産量の増加:枯渇した油ガス田へCO2を圧入して生産量を増やす
- CO2実質排出量の削減:油ガス田への貯留により大気中のCO2を削減する
JAPEXのCCUSへの取り組み
JAPEXでは現在、主に以下のCCUSに関する取り組みを、専任部門を設置し進めています。
- CO2を用いたCO2-EOR(Enhanced Oil Recovery:石油増進回収法)の技術開発
- CO2を用いたCO2-EGR(Enhanced Gas Recovery:ガス増進回収法)の技術開発
また、CCSを含むCO2の大規模貯留技術の研究開発促進に取り組むために官民で設立した「二酸化炭素地中貯留技術研究組合」や、CCUSを含むカーボンニュートラルの具現化に向けた政府や地方自治体が設置した官民での検討会議などへも参加しています。
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申川油田における実証試験
当社が組合員として参画する「二酸化炭素地中貯留技術組合」が、2019~2020年度に秋田県・申川油田で、既存坑井を用いたCO2マイクロバブル圧入実証試験を実施しました。CO2を微小な泡状にした「マイクロバブル」で坑井に圧入することにより、通常の形態でのCO2圧入に比べ、CO2貯留率と原油回収率の向上を確認しています。
2021年度以降は、この実証試験で得られた結果をもとに、フィールドでの実用化に向けた検討を進めています。
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二酸化炭素地中貯留技術組合について
2016年3月に設立された「二酸化炭素地中貯留技術組合(技組)」は、CO2の地中貯留技術に関わる企業、公的研究機関が参加した、実用化規模でのCO2地中貯留技術の開発を目的とした組織です。
JAPEXは設置当初から本組合に参加しており、「大規模貯留層の有効圧入・利用技術」のうちCO2マイクロバブルの圧入技術の検討で主導的な役割を担っています。
- 関連ニュース
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- 2020年12月18日付当社プレスリリース「環境関連事業推進組織の設置について」
- 2016年3月31日付当社ほかプレスリリース「二酸化炭素地中貯留技術研究組合」の設立について」
- 関連サイト
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