石油・天然ガスE&Pの流れ
石油・天然ガス産業では、探鉱・開発・生産フェーズをE&P(Exploration & Production)、もしくは上流と呼びます。また、生産した石油・天然ガスの輸送を中流、加工・供給までを下流と呼んでいます。
JAPEXは1955年の上流専業会社としての創立以降、石油・天然ガスのE&Pを中心に、国内では自社の供給ネットワークを構築し、生産・調達した石油やガスの輸送・供給にも取り組んでいます。上流から中~下流までの4つのステップを自社グループで完結できることは、JAPEXの強みです。
探鉱
鉱業権や探鉱・開発権など石油開発に必要な権益を獲得した鉱区で、地質構造の調査と有望ポイントでの試掘を行います。試掘で得られたデータなどをもとに石油・天然ガスの存在や広がりを確認し、商業生産が可能かを判断します。
- 地質調査:地層の岩石性状などを分析
- 物理探査:地下に対する電磁波や人工的な振動などを用いた調査で、地質構造を把握
- 試掘:物理探査の解析結果をもとに、有望ポイントで坑井(試掘井)を掘削し、石油・天然ガスの存在を確認
- 埋蔵量評価:試掘に成功した場合、油ガスの広がりや埋蔵量の規模などを確認するため、さらに坑井(評価井)を掘削
弾性波探査とは
地下に向けて人工的な振動を起こし、地下から跳ね返ってくる波動を観測して地下の構造を把握する、物理探査手法の一つです。
陸上ではバイブロサイス車を用いて振動を起こし、地上の地震計で測定します。海上では船からエアガンなどで振動を起こし、受信機を内蔵したストリーマーケーブルを曳航して海底からのデータを測定します。
バイブロサイス車による陸上弾性波探査/ストリーマーケーブルを曳航する船舶による海上弾性波探査
開発
探鉱で商業生産が可能と判断した鉱区では、生産のための坑井(生産井)を掘削します。また並行して、生産する石油・天然ガスの処理や貯蔵などに必要な設備・施設を建設します。
- 基本設計:開発生産計画の策定、必要な設備・施設の設計など
- 生産井掘削:生産計画にもとづき生産井を掘削
- 施設建設:石油・天然ガスの処理や貯蔵、輸送のための設備などを建設
岩船沖プラットフォーム/掘削リグでの作業
生産
生産井から油ガスを産出し、原油、天然ガスとして不純物の処理などを行います。また、生産量の維持や増加のための追加開発も、生産フェーズで必要に応じ検討し実施します。
- 生産:油ガスとして生産井から採取
- 分離:採取した油ガスを原油と天然ガスに分離
- 不純物処理:硫黄などの不純物を除去
- 貯蔵:不純物処理をした原油をタンクに貯蔵
分離装置(セパレーター)/原油貯蔵タンク
輸送・供給
石油、天然ガスをそれぞれ輸送・供給し、お客様へ販売します。
JAPEXでは、原油は主に石油元売り会社や商社に、天然ガスは都市ガス会社や大口需要家、電力会社などに供給しています。なお、海外から輸入した液化天然ガス(LNG)も、気化したガスとして天然ガスとあわせて、または液体のまま輸送し、供給しています。
- 原油:タンカーによる海上輸送、タンクローリーや原油パイプラインによる陸上輸送
- 天然ガス:高圧ガスパイプライン網を利用
- パイプライン未整備地域へはLNGを液体のまま、専用ローリーや鉄道タンクコンテナで輸送
原油ローリー写真/天然ガスパイプライン
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