地質モデリング技術
地質モデリング技術とは、さまざまな調査で収集した情報をもとに「地質モデル」を組み立てる技術です。石油・天然ガスが分布する地下数千メートルの地質を実際に見ることはできません。そのため、限られた情報をもとに地質モデルを組み立てて地下の状態を推測し、石油・天然ガス埋蔵量を評価しています。
地質モデルはこの十数年で精緻化が進み、三次元数値地質モデルへと進化しました。三次元数値地質モデルは、さまざまな調査で収集した地下構造や、貯留岩性状、石油・天然ガス分布などの情報を三次元的にコンピューター上で表現したものです。
その進化にはコンピューター技術の発達や三次元地震探査が大きな役割を果たしています。また近年は、地球統計学的手法を駆使することで、さらに高度な地質モデルが作成できるようになりました。
特に石油・天然ガスの開発では、開発井の掘削地点や掘り進める坑跡の決定、貯留層流動シミュレーションへの入力に、三次元数値地質モデリング技術が不可欠なものとなっています。探鉱においても、三次元数値地質モデルを作成して原始埋蔵量を推定するという流れが定着してきています。
三次元数値地質モデルの活用例
オイルサンド貯留層の三次元地質モデル構築
地震探査データと坑井データの解析結果を統合して作成した堆積相モデルです。
坑井位置での堆積相分布をもとに、地震探査解析デ―タである音響インピーダンスインバージョン・マルチアトリビュート解析を用いて、各シーケンスの堆積相分布を推定して重ね合わせました。
オイルサンド貯留層の三次元地質モデル例 (出典=*1)
地球統計学的手法を用いた高分解能なモデル構築
決定論的手法を適用した貯留層モデル(左)と地球統計学的手法を適用した貯留層モデル(右)です。
貯留層流動シミュレーションを実施した場合、後者のより高分解能なモデルを採用することにより、石油・天然ガスの生産量や圧入流体挙動の予測を正確に行うことができます。
岩船沖油田海底扇状地堆積物貯留層の三次元数値地質モデル例 (出典=*2)
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(出典)
*1: 高橋明久・柏原功治・溝畑茂治・島田信仁・中山徹・古瀬雅己・鳥越隆弘, 2006, オイルサンド貯留層三次元地質モデルの構築, 物理探査, 59, 3, 233-244
*2: 山本浩士, 2008, 岩船沖油田における海底扇状地堆積物の貯留層キャラクタリゼーション, 石油技術協会誌, 73, 6, 453-463
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