先端坑井生産技術
近年、石油・天然ガスの効率的な回収のために坑井ごとの生産能力向上を目指す分野として、坑井から生産までの技術にまたがる「Production Engineering(PE)」のニーズが高まっています。
特に、国内油ガス田の二次/三次回収に対するIOR・EOR(原油増進回収)の適用や、シェールオイル(タイトオイル)やメタンハイドレードといった非在来型資源の開発には、複数の分野との概念やアイディアを共有した専門的な技術が不可欠となっています。
JAPEXは現在、主に以下のPEを国内油ガス田の開発生産に適用しています。
- 人工採油:ポンプなどの機械を用いた原油の汲みあげ
- 坑井刺激:酸処理、フラクチャリング
- 出砂対策:グラベルパックの適用など
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グラベルパックの適用
砂岩層から石油・天然ガスを採取する場合、採取が進むにつれ地層内の砂が流体にともなって坑井内に流入し、生産量を低下させる「出砂障害」が発生する場合があります。
そのため、出砂対策の一つとして、「グラベルパック」という手法が適用されます。以下の図のように、[1]~[4]の順に坑井の中に人工的にサイズをそろえた砂(グラベル)を敷き詰めていき、坑内への砂の侵入を防ぐ技術です。
高傾斜の裸坑仕上げの坑井でのグラベルパック
岩船沖油ガス田におけるグラベルパック適用
新潟県・岩船沖油ガス田では2018年度に、国内油田では初めて、高傾斜井かつ生産区間にケーシングを挿入しない裸坑仕上げの坑井へ、グラベルパックを適用しました。
当社子会社の日本海洋石油資源開発株式会社(JPO)が生産操業を推進する岩船沖油ガス田では、原油生産量の維持増加のため2018~2019年に1,900m層の追加開発を実施しました。新潟県の胎内川河口沖合4kmの海上にある岩船沖プラットフォームから高傾斜井を掘削し、裸坑仕上げの坑井内への出砂を防ぐために、グラベルパックを適用しました。難易度の高い技術の適用成功により、想定以上の原油生産量を実現しています。
岩船沖プラットフォームでのグラベルパック適用作業
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