メタンハイドレート
日本の近海で多くの存在が確認されているメタンハイドレートは、将来の国産エネルギー資源の一つとなることを期待されており、現在は主に政府により、民間での商業化の実現を目指した技術の開発や資源量の評価などが進められています。
JAPEXは、将来の自社による開発生産を目指し、メタンハイドレートの生産技術の確立と商業化を目指す政府の取り組みに参加しています。
メタンハイドレートとは
メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンと水とが結合し結晶化したもので、その形状から「燃える氷」とも呼ばれています。水深500メートルを超える低温かつ高圧な環境が保たれた海底面下や、極地方の永久凍土層の下、高山の地下などに存在するといわれています。
日本近海では、大きく分けると以下の2種類のメタンハイドレートの存在が確認されています。
- 砂層型メタンハイドレート
- 海底面下数百メートルの砂層の砂粒の間に存在
- 日本近海では主に太平洋側に存在
- 表層型メタンハイドレート
- 海底面から海底面下100メートル程度の間に、ガスチムニー構造と呼ばれる塊状で存在
- 日本近海では主に日本海側に存在
人工メタンハイドレートが燃焼している様子
(写真提供:MH21-S研究開発コンソーシアム)
政府による開発生産技術の研究
日本政府が2024年3月に改定した「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、2030年度までに民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトが開始されることを目指して、国は産業化のための取組として、民間企業が事業化する際に必要となる技術、知見、制度等を確立するための技術開発を行うという目標が掲げられています*。
現在はMH21-S研究開発コンソーシアムによる、砂層型メタンハイドレートの開発生産技術に関する研究が進められています。また、国立研究開発法人産業技術総合研究所による、表層型のメタンハイドレート開発生産技術に関する技術研究も進められています。
砂層型メタンハイドレート海洋産出試験
愛知県・渥美半島~三重県・志摩半島沖にある第二渥美海丘で、これまでに2回の砂層型メタンハイドレート海洋産出試験が実施されています。
第1回海洋産出試験においては当社が海洋作業を受託し、第2回海洋産出試験には、当社を含む石油開発会社やエンジニアリング会社などの民間企業の出資で設立された日本メタンハイドレート調査株式会社(JMH)が参加しています。
2013年の第1回海洋産出試験では、世界で初めて海洋でのメタンハイドレート層からのガス産出に成功し、2017年の第2回海洋産出試験では、第1回海洋産出試験で生じた課題への対策や、数週間程度の連続したガス生産などを確認しました。しかしながら、メタンハイドレートの商業化にはまだ多くの課題があることが認識されています。
現在は、これまでの海洋産出試験の結果などを踏まえながら、JMHが参加するMH21-S研究開発コンソーシアムが、砂層型メタンハイドレートの商業化に向けた生産技術の開発と、次フェーズの海洋産出試験実施候補地点の抽出などを進めています。
(参照)* 2024年3月22日付経済産業省公表資料「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」
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